どうモー、うしコラムです。
いよいよ梅雨真っ盛り。じめっとした季節が続きますね。
体が感じる暑さは、気温と湿度が影響します。どっちも高くなるこの時期、熱中症には十分ご注意ください。
さて、この時期要注意なのはもうひとつ、食中毒もありますね。
食べ物には微生物はどうしてもくっついてくるとしたもので、栄養素に気温と湿度が伴えばそれは確実に増えていきます。食中毒については人間の方で気を付けるしかありません。
予防手段は大抵「焼いて食べる」ということになるのですが、日本には肉類の生食という、食中毒対策とは対極にあるような文化がありますね。
実はこの生食文化のひとつが法律で禁止されたのが、2012年7月のこと。牛のレバ刺しの提供が不可となりました。
そして3年後の2015年6月には豚肉や豚レバーの生食用販売・提供も禁止されています。
ちなみに、牛レバー刺しが禁止された直接の原因は大腸菌による重大な食中毒事件でした。
禁止以前の衛生対策の考え方は
・食中毒の原因菌は大抵表面にいるので、衛生的な環境で表面を削ぎ落せば感染リスクを落とすことができる
・肝臓に巣食う寄生虫(肝蛭など、人間にも寄生します)については1回凍らせてから常温に戻すと虫体が壊れて感染力をなくす(凍結融解法と言います)
といったところだったのですが、やっぱり確実じゃなくて危ないねという判断になったようです。
それからもう10年にもなるので、今やご存じない飲兵衛も多いかもしれませんが、豚や牛のレバ刺しはお酒のお供に好まれていました。
私は当時、畜産用の医薬品を作る会社にいて、関係者から
「食中毒防止とはいえ、食文化が失われるのは寂しいなぁ」
と、それこそレバ刺し抜きで飲みながら管を巻かれた思い出があります。
今や肉類で刺身用に普通に提供されているのは馬刺しのみとなっています。(鳥刺しは禁止されていないが高リスクとして厚生労働省から注意喚起されています)
肉類は、ご家庭でも、安全のため加熱してからお召し上がりください。