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#27 牛獣医の修行日記(4)

どうモー、うしコラムです。

 

すっかり秋の空になりましたね。日中の暑さも少し和らいできたように思います。

 

今年の夏も暑かったですね…牛が熱中症になって、その対応に追われる毎日でした。

 

牛は暑さに弱い動物です。牛は4つの胃を持っていますが、そのうち最も大きい第1胃は食べた物の発酵槽になっていて、それが大体39℃前後の発酵熱を発しています。体の中に湯たんぽを持っている状態なので、どうやら外気が暑いとこたえるようですね。

 

加えて牛の体毛は結構ふさふさのフカフカで、触っていると気持ちがいいのですが、イヤこれは夏は暑そうだな…と思わずにはいられません。

 

というわけで、牛の適温域はかなり低めで、繁殖用の成牛で10~15度、哺乳中の子牛でも13~25℃と言われています。うーん、日本の夏だとこれは難しいですね…。

 

暑くなると、母牛だと受胎率が下がってしまうし、子牛も体調が悪くなるし、熱中症で死に至ることもあります。本当に侮れません!…お陰様で子牛に点滴するのも上手になりました…。

 

さて、前回人工授精や受精卵移植が難しい!という話をしましたが、そう、たどたどしい繁殖作業をやりながらこの厳しい夏を迎えることになりました。果たして暑さを乗り越えることができたのか!?

ホントに結果が怖いです(笑←笑えないけど)。

続く!






#26 お米と牛のうまい関係

どうモー、うしコラムです。

 

前回、全国和牛能力共進会で秋田牛の脂が評価されたらうれしい、というお話を書きました。今回はそこを少し詳しくお話しします。

 

脂…つまり「脂肪」はお肉のうまみに直結する重要な要素ですが、この脂肪というやつが結構複雑で。

中学の理科を思い出していただきたいのですが、脂肪というのは脂肪さんと脂肪君…もとい脂肪酸とグリセリンという成分がくっついてできています。この脂肪酸が脂肪の性質を左右する要素です。

脂肪酸にはいろんな種類があり、その中でもオレイン酸は溶ける温度(融点)が16度ぐらいで、くちどけ・舌触りに直結する脂肪酸なんですね。脂肪の成分の中でオレイン酸の割合が高くなると、くちどけが良く風味が良くなるわけです。

 

牛の体の中でどんな脂肪ができるかは、食べたものによって変わってきます。脂肪の原料は主に「でんぷん」です。でんぷん自体は脂肪ではなく炭水化物ですが、体の中で脂肪に変えられてしまいます。誰でも炭水化物の取りすぎで脇腹あたりが…というのは覚えがあると思いますが、それと同じで。

牛の餌は牧草がメインで、一部に配合飼料と呼ばれるでんぷんを多く含む飼料を与えます。でんぷんの源は主にトウモロコシですが、秋田牛の場合、その一部に秋田で取れたお米が使われているのです。

お米を食べると、どうやらトウモロコシを主に食べた場合と比べてオレイン酸の割合が高くなる、ということが近年の調査で分かってきました。

 

飼料に使うお米は飼料米といって、専用のお米を使います。これも品種がたくさんあって、秋田では「秋田63号」(強そう!)「たわわっこ」などなど使われているそうです。

 

秋田牛はまさに秋田のお米農家と畜産農家の珠玉の合作と言えるわけですね!

 

出典:

農林水産省「飼料米をめぐる情勢について

農林水産省「飼料用米の活用による特色ある肉用牛産地の育成

農研機構「飼料用米の肉牛への給与技術






#25 全国和牛能力共進会へ!

どうモー、うしコラムです。

 

来月、10月6~10日は鹿児島で「全国和牛能力共進会」が行われます。(#16も見てね!)

 

全国和牛能力共進会は、「和牛オリンピック」とも呼ばれる和牛の品評会です。5年に1度、日本全国から優秀な和牛を集め、改良の成果やその優秀さを競います。

 

さあ、8月は全国各地で次々と代表牛が決まり、いよいよ!という雰囲気が漂ってきました。今回は41道府県が参加です。

大会は「種牛の部」「肉牛の部」「高校及び農業大学校の部」の3部門9区に分かれて行われます。秋田県からはそのうち6つの区、合計14頭の出品が決まりました。

 

その6つの区での全ての成績が気になりますが、やっぱり第7区「脂肪の質評価」は注目ですね!秋田牛は秋田のお米を食べて育ちますが、その成果は脂に出ると言われています。おいしい脂が評価されてほしいなぁ~~~~!

 

8月21日には壮行会が行われ、今まさに秋田県は盛り上がっています!