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#69 十二支

どうモー、うしコラムです。

あっという間に2023年が終わろうとしています。

2024年は「辰年」ですね。

今回は、十二支についてお話しようと思います。

 

十二支と干支は違う

十二支は、皆さんがよく知っている「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」です。

一方、干支は、十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)に十二支を組み合わせたもの。

カレンダーに甲子(きのえね)など書かれているのを見たことがあると思います。

ですので、「干支は辰です」という表現は厳密には間違い。

正しくは、「2024年の十二支は辰」又は「2024年の干支は甲辰(きのえたつ)」なのです!

 

また、十二支は方角や時刻も表すのにも使われています。

例えば、丑(うし)がらみでいくと…

方角では子が北、午が南なので、「丑」は北北東。

時間では「丑」は午前1~3時のことで、「草木も眠る丑三つ時」の「三つ」とは、1~3時を30分刻みで数えて3番目の時間。つまり午前2時~2時半を指します。

 

国によっては「猫年」もある

そもそも十二支の漢字を見ても、動物とは結び付かないですよね。

実はこれらの漢字は、季節ごとに移り変わる植物の様子を表わしているそうです。

では、なぜ私たちは動物を思い浮かべるのか?

所説ありますが、ただ漢字を見て呪文のように唱えても覚えにくい!
何か覚えやすい方法はないかな…そうだ!読み方で連想される動物をあてよう!というのが一説。

だから、残念ながら「丑」は、動物の牛とは全く関係がないんです。

ところで、中国から日本に広まった十二支ですが、実は日本以外でも韓国、タイ、ベトナム、インド、ロシアなど、他の国々にも普及しているんですよ!

これは、中国がシルクロードを通じて広く交易していたからと言われています。

 

面白いのは、国によってあてられた動物が微妙に異なること。

ベトナムの「丑」は水牛、ベトナムやタイ、ベルラーシの「卯」は猫、モンゴルの「寅」は豹、などなど.

来年の「辰」は、イランでは「鯨」に置き換わっているそうです。

 

2024年は甲辰…勢いよく活気あふれる年と言われています。

明るく希望を持って、皆様良いお年をお迎えください。






#68 牛獣医の修行日記 妖怪四変 その1

どうモー、うしコラムです。

いよいよ年の瀬も近くなりました。

今年はいつもよりも暖かく、なんだか変な気候。

そんな変な年を象徴するかのような恐ろしい出来事が、この秋は起こったのです…(小声)。

 

今回は今年の秋、ある牧場を襲った奇々怪々なお話…。

 

転職獣医師の悩み

今年の夏。

とある牧場の獣医師が(いや私のことですが)、頭を抱えていました。

 

彼は会社員獣医師で臨床未経験であったにもかかわらず牧場勤務へのトラバーユを決意し、なんとか繁殖の仕事のまねごとができるようになった時点で、ひとり、牛の群れに放り出されたような状況でした。

そんな彼の悩みは、外科手術に全く自信がないということだったのです。

 

このまま外科ができないままでよいのだろうか?

 

いや良いわけがない。牧場の管理獣医師として手術もできないなどありえない。

 

昨年は全く平和なもので、手術が必要な場面など皆無だったのが更に良くない。全く経験を積む余地がなかったからです。

 

しかし、恐怖の季節は刻一刻と迫っていたのです。

 

妖怪「四変(よんぺん)」がやってくる

正式名称「第4胃変位」、略称4変。

牛には胃袋が4つあり、そのうちのひとつ、第4胃は、通常右でも左でもない中央に位置しています。

しかし何かの拍子に第4胃にガスがたまり、右側もしくは左側に移動してしまうことがあるのです。

すると第4胃がねじれてしまい、そこから先に食べたものが進まない。最悪死んでしまうこともあるというこわーい病気。

直す方法は色々あるが、なんだかんだ言って手術が最も確実です。

 

4変が起きやすいのは分娩後。お腹の中の大きな胎子がいなくなって、その隙間に向かって消化管が動いた拍子に発生してしまうことがよくあります。

なので、季節を問わずいつでも起こる可能性があるのですが、どうも秋に起きやすいというイメージがあるようで、アンケートを取ってみてもこの通り。

 

質問:4変の出やすい季節はいつですか?(独自調査、獣医師に質問)

回答数16とはいえ、こうもダントツの結果になるとは。

 

ともあれこの手術ができるようにならなければならない。

妖怪「四変」、このメスで退治てくれよう!

と自信を持って言えるようになりたい(及び腰)。

 

さあこの秋はどうなったのか!?続く!

 






#67 家畜を病気から守ろう!

どうモー、うしコラムです。

本格的に冬がやってきましたね。

特に朝晩の冷え込みは牧場作業者の大敵。肌がガッサガサになって痛いのなんの。ハンドクリームが手放せません。

ということで今日はお肌がらみの話です。牛のね。

 

海外で流行っている今話題の牛の皮膚病

牛の肌の病気で最近話題なのが「ランピースキン病」。

牛の皮膚にたくさんブツブツができる感染症です。どんな病気かって、写真はコチラから農水省のページへGo!

 

日本にはない病気のためあまり聞かないかもしれませんが、先日の韓国での大発生を受け、日本も警戒モードになっています。

 

この病気はもともとアフリカでのみ発生していたのですが、2012年ごろ中東に拡散。2019年には中国で発生し、今年(2023年)11月にとうとう韓国でも発生が確認されました。※

※出典:農水省 令和5年10月25日

 

発生したら対策は…

しかしこの病気、たかが皮膚のデキモノと侮るなかれ。

致死率こそ高くないですが伝染性が強く、肉牛は痩せていき、乳牛では乳量が落ちる。生産物よりコストのほうが高くなって畜産業は成り立たなくなっていきます。

ワクチンも治療薬もない現状では、感染拡大を防ぐ方法は、感染牛の殺処分しかありません。

その際、同居している動物は、まだ発症していなくても感染の可能性ありとして、もろともに殺処分対象となることもあります。

 

私も2010年、九州で牛・豚に口蹄疫という病気が発生した時に獣医師としてこうした作業に従事したことがありますが…本当に悲しい出来事でした。

 

消毒マットは必ず踏もう!

動物を病気にさせないよう、農業従事者は病原体を農場に持ち込まない努力が必要です。

 

でも、農業従事者でなくても、私たち一人ひとりにもできることはあるんですよ。

 

それは靴底の消毒!!

 

特に国際線のある空港では、靴底を消毒するために、消毒マットが必ず設置されています。

これは、海外の家畜の伝染病を日本に持ち込まないようにするためです。

動物園やふれあい牧場、観光地ではお店の前やホテルなどでも設置されていますね。

「なんかマットが敷いてあるな…濡れてるから避けて通ろう」は絶対ダメですよ!

海外に行かれる方はもちろん、国内の移動であっても、消毒マットがあったら必ず踏んでくださいね!