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#53 そこそこに食べて!牛のお食事 濃厚飼料編

どうモー、うしコラムです。

前回は、牛の餌には「粗飼料」と「濃厚飼料」があること、そして「粗飼料」とはどんなものかについてお話ししました。(草の三段活用!)

今回は「濃厚飼料」についてお話しします。

 

No-kou siryou, No life!(濃厚飼料にゃ目がないぜ!)

粗飼料は繊維質を多く含むのに対して、濃厚飼料は、タンパク質や炭水化物を多く含みます。

中身はトウモロコシ、大麦、小麦、米、大豆、大豆粕、米糠などでできています。

草がメインの粗飼料よりも断然美味しそうでしょう?

美味しいんです!(←牛目線の言です)

そう、牛は濃厚飼料に目がありません。

どのくらい目がないかって、「注射するからちょっと来てー」って時に濃厚飼料をチラつかせると、我先にと集まり、取り合い状態になるほどで。

そんな牛ホイホイ・濃厚飼料は、筋肉や脂肪の元となり、体を大きくするのに超重要。ちなみに、秋田牛が食べているお米(#26を見てね!)は濃厚飼料という位置づけです。

しかし、「どんどん大きくなあれ!」と濃厚飼料を与えすぎるのは危険!

 

Too much No-kou, No Life(やりすぎると死ぬ)

※文法しちゃかちゃなサブタイトルですが温かい目で見てください。

 

お菓子や唐揚げばかり食べていると、肥満になったり、体調を崩したりするのと同様、濃厚飼料の食べ過ぎは牛にとっても命取り。

濃厚飼料を食べ過ぎることで、食欲不振や下痢、脱水が起こり、重度になると肝臓や蹄にも障害が起こります。1胃で異常発酵してガスがパンパンに溜まって死んでしまうこともあります。(1胃の働きについては#10見てね!)

というわけで…濃厚飼料はほどほどに、適正に与えなければなりません。

秋田牛は脂肪の付き方がちょうどよい具合になるように絶妙に調整された飼料で育てられています。

餌のやり方もプロの牛飼いの腕の見せ所。その技の成果は、お肉の味でご確認あれ!!

 






#52 モリモリ食べて!牛のお食事 粗飼料編

どうモー、うしコラムです。

前回は、牛は産まれてから2年半で体重が約25倍になる!というお話をしました。

そんな牛さんの餌は、大きく2つに分けられます。

草を基に作られた「粗飼料」と、とうもろこしや大豆など穀物を主体とした「濃厚飼料」です。

これらやビタミンなどを混合し、バランスよく栄養を摂れるようにした飼料を「配合飼料」と呼んでいます。

肉牛の場合、もちろん月齢などにより餌の量は異なりますが、1日当たり、平均して粗飼料:1.6kg、配合飼料:6.5kgを食べると言われています。

奥が深い餌の話ですが、今回は『粗飼料』についてみていきたいと思います。

牧草vs乾草

粗飼料とは、

  • 牧草(青々とした生草)
  • 乾草(牧草を乾かしたもの)
  • サイレージ(牧草を乳酸発酵させたもの)

など繊維質の多い食べ物です。

一見すると、乾草よりも牧草の方が美味しそう…なんて思われがちですが、青草は水分をたくさん含んでいるため、食べられる量が制限され、牧草だけでは十分な栄養を摂取することができません。

また、人間の食べ物と同じく牧草はナマモノですので、日持ちしません。

そこで活躍してくれるのが乾草です。

乾草は長期間保存でき、更に食べられる量が増えることで牧草よりも効率よく栄養を摂取できる、という利点があります。

 

牛も発酵食品大好き

もう一つ、粗飼料で重要な存在「サイレージ」。

農業が盛んな地域では、牧草地に下の写真のようなものが、見られます。ちょうど今が収穫の季節ですね。

これに空気が入らないようにビニールシートを巻いたものをラップサイレージと言います。

この「空気(酸素)が入らないように」というのがミソ! 草についていた乳酸菌が増殖し、その他の雑菌やカビを抑え、保存食のできあがり。言わば牛界のお漬け物。

しかも保存がきくだけでなく美味しくなるのか、嗜好性もアップ!発酵によって栄養価も高まります。

というわけで、「牧草、乾草、サイレージ」
この三段活用はテストに出るので(?)しっかり覚えておきましょう!

実は味にうるさいグルメな牛。次回は、更に牛がグルメに感じる(かもしれない)「濃厚飼料」のお話をします。






#51 すくすく育て!子牛の成長

どうモー、うしコラムです。

6月、雨の季節がやってきますね。

6月は祝日が無いので更に憂鬱です。先月は祝日目白押しだったのに、こどもの日とか。

そういえば「こどもの日」は、『国民の祝日による法律』によると、『子どもの人格を重んじ、子どもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日』と定められているようです。

遡って、こどもを産んだ母に感謝…そんな深い意味があったとは(゚д゚)!

その翌週には母の日もあるという、先月は母フィーバーの月でした。

牛に携わる私たちとしては、生まれてくる子牛にも、生んでくれる母牛にも本当に感謝です!

さて今回は「牛の成長」のお話です。

 

産まれた直後から逞しいモー!

牛の種類で多少異なるのですが、以下、いわゆる和牛・黒毛和種でのお話です。

まず、牛の妊娠期間は約280日、これは人間の妊娠期間とほぼ同じです。

しかし産まれてくる子は…人間が約3kgに対して、牛は約30kg、文字通りケタ違い!

まぁ、そもそもお母さんの大きさが違うから、この差は仕方ない。

でも、首さえ座っておらず介助なしでは何もできない人間の赤ちゃんと違って、牛の赤ちゃんは、産まれてしばらく経つと立ち上がり、自らお乳を飲みに行きます。

人間もそうなら楽だったのになぁ(遠い目)…なんて思う子育て経験者は私だけじゃないはずさ。

 

急成長だモー!

黒毛和種の場合、約30カ月齢でお肉として出荷されるのですが、その時の体重は750kgにも及びます。

2年半で、体重は約25倍に成長!

人間の場合、2歳半での体重は出生時の3倍くらいですから、成長の早さもケタ違いですね。

しかも牛の食べ物はもちろん植物のみ。動物性たんぱく質など一切入り込まない徹底した精進料理。

それでよくこんなに大きくなるもんだ…と不思議でなりません。

人間は牛の真似しても大きくなれませんので、元気に育ってくれた牛さんに感謝し、お肉をいただき、すくすく育ちましょう!(人間とお肉の栄養的な関係については#1112を見てね!)

牛の餌については、また次回、詳しく書いていきますので、お楽しみに!