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#84 イタリアン

どうモー、うしコラムです。

 

初夏の新緑がまぶしい季節となりました。

この時期の牛農家さんは、天気とにらめっこして大忙しの牧草収穫シーズンです。

晴れている日を狙って牛さんに与える牧草を刈り乾燥させ、サイレージを作るというわけで(サイレージについては#52を見てね)。

 

ところで、「牛はイタリアンが好き」と聞いて、皆様は何を想像するでしょうか?

イタリアン??ピザ?パスタ?確かに原料は小麦だし食べれないこともないか…。

などと思ったのは、学生時代の私だけではないはず(笑)。

 

今日は、牛さんの大好きなイタリアンのお話です。

 

本名はイタリアンライグラス

 

牛が食べるイタリアンとは、実は「イタリアンライグラス」というヨーロッパ原産のイネ科の牧草なのです。

日本では雑草としてその辺によく生えています。

田んぼを持っている牛農家さんは、稲刈りが終わり次の春に田植えをするまでの間、イタリアンを育てていることが多いです。土地の有効活用ですね。

ちなみにイタリアンも進化しており、複数回収穫できたり、硝酸態窒素が蓄積しにくいよう品種改良されているんですよ。

*硝酸態窒素…植物の成長に必要な栄養素の一つで、植物内に蓄積されます。人や動物は、それを適量摂取する分には問題ありませんが、過剰に摂取すると中毒症状を起こすこともあります。水に溶けやすい性質があり、硝酸体窒素を豊富に含むほうれん草を茹でて食べるのはこのためです。

 

多方面で大活躍のイタリアン

 

牛の餌として馴染みの深いイタリアンは、他のところでも活躍してくれています。

それは「緑肥」。

緑肥とは、育てた植物そのものを肥料として土にすき込み利用することです。

イタリアンをはじめとしたイネ科、レンゲなどのマメ科、マリーゴールドなどのキク科植物が緑肥として使用されています。

野菜などの収穫が終わってしばらく使用しない土地でイタリアンを育てると、イタリアンが上手く土壌中の栄養を吸収してくれます。

本来は土壌中の栄養はどんどん雨で流れていってしまうのですが、栄養をたっぷり吸収してくれたイタリアンを土中にすき込むことで、イタリアン自身が肥料になってくれるのです。

また、肥料としてだけでなく、畑の土を柔らかくして水はけを良くしてくれたり、有害生物を制御してくれる効果もあります。

農業って奥深いですね!

参考:setsumeikai_shiryou_5-4_1.pdf (maff.go.jp)






#83 バナナ

どうモー、うしコラムです。

ゴールデンウィークは皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか?

 

私?畜産獣医に大型連休なんてないですよーあははー。

2日と3日は牧場の仕事は休みだったのですが。

通常、月末月始は共済に提出するカルテを書くのに大忙しで、今月もその例に漏れずせっせと書き上げる連休でした。

 

うーん、つまり休んでいないですね。

 

GW明けには「バナ活の日」がある

 

今年は6日までお休みで、明けた7日は重い気分で迎えた方も多いのではないでしょうか?

 

しかし実は7日も特別な記念日。なんと「バナ活の日」!

 

正式名称「Doleバナ活の日」。生鮮果物や缶詰で有名な株式会社Doleが制定し一般社団法人日本記念日協会が認定・登録した日です。2023年からだそうで、わりと新しい記念日です。

バナナの「ナナ」にちなんで、毎月7日をバナ活の日にしたそうで。

バナ活というのは、そのまんまバナナを食べる活動のことで、1日2本バナナを食べると健康にいいよ、ということなのだそうです。

 

調べてみると、バナナと牛肉の組み合わせの料理も結構発表されていますね。気になる方は是非ググってみてください!

いずれ、かまくらミートでもオリジナルレシピを作ってみたいと思いました。

 

牛にもバナ活がある

驚いたことに、昨今、牛に対してもバナ活が注目されています。

バナナは子牛の下痢予防に有効とか、子牛の免疫力を高めるとかいった効果も発表されていて、バナナ配合の飼料もあるほどなのです。

1日1本、5日間バナナを食べさせるとリンパ球(体を守る細胞)が増加した、という実験結果も発表されていますね。

 

子牛はよく下痢をします。そして脱水が進むとすぐに死に至るので、本当に侮れません。

バナナ数本でそれが防げるなら、牛飼いとしては試しにやってみたいなぁと思います。

 

さて、これから暑くなっていくと食中毒も増えてきますね。牛も環境中の雑菌が増えるので、下痢や乳房炎が心配な季節になっていきます。

皆様もどうぞお気をつけて!

 

 

 






#82 牛のマイレージ

どうモー、うしコラムです。

新年度に入り、1ヶ月が経ちました。

環境が大きく変わったという方もいらっしゃると思います。体調を崩されませぬよう、ご自愛くださいm(__)m。

 

ところで、新しい環境で体調を崩しやすくなるというのは、牛でもよく見られます。

実は牛って、必ずしも一生を一つの農場で過ごすわけではなくて、数日で日本縦断することだってあるんです。

今回は、肉牛の移動についてお話したいと思います。

 

多くの牛は引っ越しを経験する

肉牛の農家さんには、繁殖農家と肥育農家がいます(中には両方される農家さんもいます)。

繁殖農家は9か月齢ぐらいまでの子牛を肥育農家に販売します。

 

この子牛売買の現場(セリ)には、実は日本各地から購買者がやってくるのです!

 

例えば、今年4月、宮崎県で行われたセリでは、約半分の牛が県外の農家さん(四国、本州、北海道まで!!)に売られていました。(出典:JAみやざき都城地区本部)。

こうして子牛は、なかなかの大旅行をすることになるのです。

 

新居に着いたら、しばらくは個室がベスト!

さて、新しい農場に着いた転校生(牛)は、すぐに牛群に入れずしばらくは元々いる牛とは離して飼育します。

そうする理由はいくつかあって…
①先住の牛たちが「あぁん?なんだテメェ、俺たちのメシ食おうってのか」と言わんばかりに転校生の食事を邪魔することがあったり。

②転校生が移動や環境の変化、餌の変化等で受けるストレスから病気になることもあったり。

③逆に転校生が何か病気を持ちこんで、ほかの牛にうつしてしまったり。

ということがあるので、慎重に受け入れ、よく観察しないといけないのですね。

 

そして新しい環境に慣れ、餌と水を十分に摂取できて毛並みもよし!となったら、徐々に仲間にいれてあげます。

 

強いストレスに打ち勝つためには、免疫力をあげる!

そのために、しっかり栄養を取って睡眠をとってリラックスできる環境を整える!

このへんは人も動物も同じですね。