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#63 牛は毛までも尊い

どうモー、うしコラムです。

冬物のコートを全部クリーニングに出したつもりだったのに、1着だけ出していないことに気付きました。

さてどうしよう。このまま気付かなかったことにして今冬を迎えるか、それともクリーニングに出すか…。

その点、牛はいいよね、服着ていないんだからそんな悩みなくて。

いやいや、服こそ着ないものの、牛さんだってちゃーんと暑さ、寒さに対応した毛を身に纏っているんですよ。

今回は、牛の「毛」のお話です。

 

牛の毛も生え変わる

遠目では変化のないように感じますが、近くで観察すると、牛の毛は冬と夏で明らかに違います。

冬には『冬毛』と言って、ふわふわの長めの毛が生えてきます。
触り心地はぬいぐるみ。

これがまた温かい!

体感では自分が身に着けているヒートテック以上。

私も冬は、よく牛に抱き着いて暖を取ります。

そして冬を越し暖かくなると、冬毛は抜け、短くて硬い毛になるのです。

この毛が抜ける時期にブラッシングをしてあげると、それはもう気持ちよいくらいに毛が抜けます。

祭りで売っている大きな綿あめができそうなくらい!

これはきっと本人(牛)も気持ちいいはずです!

 

牛の毛玉は縁起物

ところで、牛の毛玉が縁起物として祭られている場所があるのをご存じですか?

それは、兵庫県香美町小代区東垣にある大日堂。和牛の起源と言われている但馬牛の産地です。

ここでは、毎年1月28日に牛の安産祈願を願う大日祭りが開催されます。

年に一度、この日だけ御開帳される大日如来の前には、直径3㎝ほどの茶色の丸い牛の毛玉が、木箱に入って祭られているそうですよ。

昔は、牛舎に牛の毛玉が転がっていたら幸運が訪れる、と言われていたそうですが、これは滅多にお目にかかれないまさにレアもの。もちろん、私もまだ見たことがありません。猫の毛玉ならあるのにね。

毛までも縁起物になる牛さん、尊いなぁ。






#62 BSE

どうモー、うしコラムです。

前回、日本で飼育されている牛の飼料は、飼料安全法や牛海綿状脳症特別措置法 (BSE特措法)を守る義務がある、というお話をしました。

BSE特措法の『BSE』って何でしょう?

今回は『BSE』について詳しくお話します。

 

BSEは病気の名前

BSE…聞いたことないなぁという人も、今となっては多いかもしれませんが、それはそれで携わってきた方々には誇らしい話。話題にする必要がないぐらい抑え込みに成功したわけですから。

実は日本でも2001年にBSEが1頭の牛で確認され、大きなニュースになったことがあるのです。

 

BSEとは、Bovine Spongiform Encephalopathy の略 で、日本語訳は「牛海綿状脳症」です。「狂牛病」という名前のほうが有名かもしれません。

これは、プリオンというタンパク質の異常型(異常プリオン)が脳に蓄積し、脳細胞を壊していった結果、脳がスポンジ状になり最終的には死に至る病気。

残念ながら治療法はありません。

たくさんの病気がある中で「BSE特措法」というBSE対策に特化した法律ができた理由。それは、BSEに感染した牛由来の食物を食べた人がそれと同様の病気になる、つまりヒトにも感染すると考えられる事例があるからです。

 

人にもうつる…しかも治療法がない…。

 

この恐ろしい事態に対処するため、日本を含む世界中で急ピッチでBSE対策がとられた、というわけです。

では、日本ではどのような対策がとられたのでしょうか?

 

日本で行われた3つのBSE対策

①飼料を規制する

BSEは、風邪とは違い、感染牛の近くにいるだけではうつりません。

異常プリオンに汚染されたものを食べることで感染します。

 

昔BSEが広まった原因の一つに、牛由来の肉骨粉が挙げられています。

肉骨粉とは、お肉に処理される過程で出た食用以外の骨や内臓などを加熱処理・乾燥・粉砕したもの。

家畜のエサ、肥料として利用されます。

海外ではかつて、牛にも牛由来の肉骨粉を食べさせていました。その中には、BSE感染牛由来の、異常プリオンで汚染された肉骨粉も混ざっていて、それを食べた牛にBSEが広がっていったと考えられています。

 

このような背景から、現在、日本を含む多くの国で、牛の肉骨粉を牛に与えるのは禁止されています。

 

②特定危険部位を除去

牛の体内で、特に異常プリオンが蓄積されやすい場所が分かっており、そこを『特定危険部位』と言います。

と畜場で処理される際、特定危険部位は他としっかり分別・焼却処分することが決められています。

ですので、人間の食品にはもちろん、肉骨粉にも特定危険部位は絶対に含まれていません。

 

③BSE検査

BSEにかかっていないか、直接的なチェックもしっかり行われています。

BSE発生当初の2001年から2004年までは、と畜場で処理した牛全頭を検査していました。

その後発生状況を考慮の上、検査対象は徐々に緩和され、今は必要がある時のみ検査することとなっています。2009年を最後に、日本では発生例がありません。

これらの対策を徹底した結果、2013年には国際的にも日本の牛肉は安全と認めらるようになりました。

また輸入牛肉についても、日本が定めた対策を遵守する国からしか輸入することはありません。

ですので、安心して牛肉を召し上がってくださいね!

 

参考資料

1)日本獣医学会 人獣共通感染症 連続講座 第122回(09/24/2001)

2)農林水産省HP 牛海綿状脳症(BSE)関連

 

 






#61 安全な牛肉は安全な飼料から!

どうモー、うしコラムです。

今年の夏は暑かった!!

夏バテで体調を壊してしまったり、食欲がなかったりした人も多いのでは?

でも、朝夕だいぶ涼しくなってきましたね。

食欲の秋、到来です!

ちなみに、牛も夏は夏バテして食欲が下がり、涼しくなるにつれてまた食欲が回復してくるんですよ。

 

さて今日は何食べようかな…スタミナつけるためにはやっぱりお肉!?

外国産の方が安いけど、国産の方が安全そう…。

あれ?安全って何をもって安全って言うのかな?

今回は、『国産牛肉の安全性』についてお話したいと思います。

 

と畜検査で安全性を確保!

大切に育てられた牛さんは、と畜場という場所でお肉になります。

ここでは、と畜検査員の厳しい検査(と畜検査)によってその安全性を確認し、合格を受けたものだけが精肉に回ります。

このと畜検査は、目の前のお肉や内臓が病気のものではないか、食用として相応しいかどうかを確認するもの。

この検査に合格すれば、もちろん安心して食べることができます…が、今日はもうちょっと深堀りしてみましょう。

 

口に入ったものが血となり肉となる

よく聞く言葉ですね。

口に入れた食べ物が、私たちの体を作ってくれます。

そして牛も同じく、食べた餌があの巨体を作り出しているのです。

だったら皆さん、何を与えられているのか分からない牛と、法律に基づいた餌を与えられた牛、どちらが安全だと思いますか?

 

もちろん後者ですよね。

 

日本で飼育されている牛の餌(飼料)は、飼料安全法や牛海綿状脳症特別措置法(BSE特措法)を守る義務があります。

BSEについてはまた次回詳しく説明しますが、牛の脳がスカスカのスポンジ状になる病気で20年程前に世界的に問題となりました。

と畜場で出た食用以外の部分は、肉骨粉として肥料や飼料として利用されます。

BSEが広まった理由、それはBSEの病原体が混ざった肉骨粉を飼料として牛に与えたことが原因でした。

だからBSE対策として、BSE特措法により牛由来の肉骨粉が牛の飼料に混ざることのないよう管理されています。

様々な対策が功を奏し、今では日本でBSEの発生はありませんのでご安心を!

 

これからどんどん涼しくなりますので、牛さんにも安全な飼料をがつがつ食べて健康に育ってほしいですね。

そして、安心して秋田牛をお楽しみください!