どうモー、うしコラムです。
先日、これまでの人生でほとんど牛を見たことがないという人(Aさん)と、牛農家に行く機会がありました。
A「ここの牛、みんなオスなんですね」
私「みんなメスだよ。」
A「え…メスも角あるんですか!?」
どうやら「角が生えている=オス」というイメージだったようで。
でも牛は、雌雄関係なく立派な角が生えてきます。
今回は、角についてお話しようと思います。
牛の角は一生もの!
ウシ科に属する牛・山羊・羊は雌雄共に角が生え、一生生え変わることはありません。
でも飼育されている牛は、小さいときに角を切っており(除角と言います)、角がない、もしくは短いのがちょこんと出ている程度の牛が多いです。
除角するのは、他の牛や飼育者が怪我するのを防ぐため。
牛自体には悪気がなくても、除角されておらず立派な角が生えている状態で顔を一振りされたら…冷や汗ものです。
もちろん除角しないというスタンスの農家さんもいますので、獣医としてはその時はもう神に祈り、覚悟を決めて診療するしかありません(汗)。
サンタクロースのソリを引いているのは…
一方、シカ科は例外を除いてオスしか角を持ちません(角は、強い男の印!)。
しかも、毎年生え変わります。
繁殖期の秋にかけて立派な角へと成長し、子どもが産まれる4月頃に抜け落ちるのです。
例外はトナカイさん。
トナカイは、牛と同じく雌雄どちらも角が生えます。
そして、シカ科なので毎年生え変わります。
面白いのは、オスとメスで角が生える季節が異なることです。
オスの角は、繁殖期の秋に一番立派になり、冬に抜け落ちて、春に生え始めます。
一方メスの角は、妊娠中の冬場に食べ物を探せるように立派な角になります。
そして、春に抜け落ちて、また夏頃から角が成長していくのです。
ということは…
判明。クリスマスイブにサンタクロースのソリを引いている、立派な角を生やしたあのトナカイさんは…メス!!