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#89 牛カツ!

どうモー、うしコラムです。

我が家の周りではセミが大合唱。セミが鳴くようになると梅雨明けだなぁと思います。

となると、いよいよ夏真っ盛り。こんな季節には、しっかりとスタミナをつけて乗り切りたいもの。

夏でも食が進む高エネルギー食と言ったら、揚げ物でしょう!!

てなわけで、今回のテーマは「牛カツ」です。

 

牛カツの発祥

牛カツの原型は明治時代、肉にパン粉をつけてバターや油で焼くフランス発祥の料理を「コートレット」と呼んでいたのですが、その脂っこさが当時の日本人にウケなかったようで。

そこでカラッと揚げるスタイルに変化して、しかもお求めやすい価格になるよう豚肉で作ったものが、豚のカツレツ=トンカツだったそうです。「カツレツ」というのはコートレットから変化した言葉ですね。

サクサクの衣にジューシーな肉の素敵なハーモニー。日本が誇る屈指の発明品のひとつと言ってよいでしょう。

「これエエやん!」と全国に広まるのですが、牛肉を好んだ関西圏ではカツレツを牛肉で作るようになったとか。

こうして生まれたのが牛カツで、「牛カツ京都勝牛」など、今では日本各地どころか海外でも美食家を唸らせているお店もありますね。

 

牛カツの楽しみ方

牛カツの楽しみ方は色々あります。

比較的しっかり熱を通すトンカツと異なり、牛カツはレア~ミディアムレアでも食べることができます。その色合いがまたステキ!(上の写真!)

目で楽しんだ後は口の中へ。外はサクサク、中は柔らかく、あふれる肉汁。その食感に驚く外国人観光客も多いそうです。

 

ひと通り定番の味わいを楽しんだら、わさび醤油やポン酢など、味付けを変えてみるのも楽しみのひとつ。マスタードや岩塩をちょっとつけるだけで、牛肉の味が変わってきます。

また、牛カツ定食として、ご飯や味噌汁、漬物と一緒に食べるのもまた格別。

おいしい白米との相性抜群。日本に生まれてよかったと思える瞬間です。

 

作ってみちゃう?

さてこんな旨そうに紹介してしまった牛カツ。おいしそうだなー、で終わらせないのがかまくら魂!

ご自宅でも牛カツ、作ってみませんか?

次回はご家庭でできる牛カツのレシピ、公開しちゃいます!

乞うご期待!






#88 牛の(めんどくさい)性格

 

どうモー、うしコラムです。

 

早いものでコラムも88回を迎えました。いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今後も食卓が楽しくなるようなコラムを発信していきたいと思います!

 

過去のコラムには、「子牛の群れに飛び込むと、噛みつき攻撃に晒される」(#49を見てね)といったエピソードがあるのですが、そういえば今まで牛の性格には触れてこなかったと思い至ったので、今回はそこについて少し。

 

めっちゃ好奇心旺盛

まだ離乳していない子牛の群れに飛び込むと、子牛の激しい頭突きをくらったり、噛みつき(というか吸い付き)をくらったりします。

これは母乳が欲しいから、というのはイメージが付きやすいと思います。子牛は母牛の乳房をつついて刺激し、母乳を出すように促すのです。これを人間の股ぐらにもお見舞いするので、牛の乳房ほど柔らかさも包容力もない人間にとっては痛い攻撃になるわけですが。

 

では離乳した牛や、1~2歳ぐらいの若牛ではどうか?

 

答え:群れの中に飛び込むと、相変わらず、もみくちゃにされます(笑)。

 

実は牛ってものすごく好奇心旺盛なのです。

人間が入ってくれば、とりあえず匂いを嗅ぐ、

舐めて味見してみる、

箱(ウエストポーチとか)があれば開けて中身をひっぺがえす、

作業服のポケットに入れているものがあれば引っ張り出してみる、

頭突きしてみる(強度確認?)、

…といった形で侵入者(?)の検分を行うのです。

 

私が人工授精などで全神経を作業に集中させているときもお構いなしです。

もしも牧場で「やめて!マジやめて!」と人工授精師さんのキレ気味の声が聞こえてきたら、そういう状況なんだと察してあげてください。

 

 

でも触られたくはない

牛の寄ってくる様子がとても人懐っこく見えるので、「よーしよしよし」とナデナデしたくなるのが人情というもの。

しかし牛は、お触り断固お断り!という態度を示すことが多いです。

触ろうと思って手を伸ばすと、さーっと逃げていく。

私が諦めて仕事を始めると、また「検分」をしにやってくる。

手を伸ばすと、またさーっと逃げていく。

 

好奇心も警戒心もやたら強いのが牛の性格。

ただ、年を取るにつれて色々分かってくるのか、好奇心はだんだん弱くなり、警戒心が強くなるような気がします。

特に私たち獣医は注射など痛いことをするので成牛からは逃げられがち。

過度に警戒されないよう、こまめに餌を寄せてあげ、日頃から信頼関係づくりをやったりするのです。

 

 

イラスト提供:も