どうモー、うしコラムです。
今回は前回の食中毒にちなんで、微生物でおなかを壊すエピソードを少し。
おにぎりであたる
私は学生時代、親には申し訳ないけれどお金のない生活だったので、昼飯は自宅で作ったおにぎり持参ということがよくありました。
午後の授業中、妙に気持ち悪くなり、嘔吐。それを見たゼミの先生の洞察が光ります。
「キミ、昼ご飯はおにぎりだったろ?」
「アタリです」
「ハイ、みんな、この症状から考えられる原因菌は何でしょう」
勉強材料にされてしまいました。
結論としては「黄色ブドウ球菌でしょうねぇ」。
黄色ブドウ球菌は指先など皮膚に普通にいますし、多少食塩があっても増殖できるというタフな菌です。
そして黄色ブドウ球菌による食中毒の症状の代表は「嘔吐」。
「おにぎり握るときは手ェ洗えよ」とたしなめられる結果となったのでした(泣)。
お餅であたる
私が以前勤めていた会社でのことですが、餅つき大会をやることになりまして、ある社員の家に臼と杵があるというので練習させてもらうことになりました。
ぺったんぺったんとなかなかの重労働。
そのご家族を囲んで食べたつきたてのお餅は、労働の後ということもあってとても美味しかった。
と良い思い出はそこまでで、その数時間後どえらい下痢・腹痛に襲われました。
不思議なことにそのお餅を一緒に食べた臼と杵の持ち主家族・その隣人は誰も発症していません。
その家族にはすでに免疫があって発症しないけど、自分には免疫のない細菌叢があって、私はそれを摂取してしまったのでしょう。免疫の力って凄いなぁと実感した事件でした。
牛であたる(同僚が)
牛の業界には新人病と呼ばれるものがあります。
仔牛がかかる下痢症の原因のひとつにクリプトスポリジウムという原虫(寄生虫)があるのですが、こいつはそう、人間にもかかるのです。
そして始めて牧場で働く新人は、これに対する免疫がないので、感染したらさあ大変。
それはそれはもう大変な水下痢と嘔吐があり、上からも下からも水が損なわれる状態に…
同僚がなっていました、かわいそうに。
そして私は、いつかのことを思い出しながら言うのでした。
「牛を触るときは、手袋と手洗い、忘れずにな」
皆さまもこの季節、食中毒にならなぬよう、お気を付けください。