どうモー、うしコラムです。
前回、牛のお尻に手を突っ込んで卵巣を探すのに四苦八苦する様子をお届け(?)しました。
さて、ほどなくして卵巣の位置も分かるようになってきますと、今度は子宮本体をつかめ、と言われます。
牛の子宮は、直腸越しに触ってもすぐ分かるような、管のようなものがありまして、これはすぐに場所が分かりました。ほっとして師匠に報告します。
私「あった!ありましたよー、これが子宮だとすぐにわかりました!」
師「お、分かった?じゃあ、それ、ひっくり返して」
私「ひっくり…えええ!?」
どゆこと?と仰天しまして。
牛の子宮は二股に分かれていまして(双角子宮というのですが)、例えて言うと、手の甲を上にして指を若干曲げたチョキを作ると、ちょうど牛の子宮のような形になります。
そのまま、目の前の人に向かって「ピース」とやる要領で手を起こしていきますと、曲げた指の腹がだんだん上を向くようになりますね。
これが「牛の子宮がひっくり返った状態」です!
獣医は妊娠鑑定などもできなければならないのですが、そのためには子宮を隅々まで触れなければならず、子宮の端まで触るには、この「ひっくり返し」ができなければならないというわけです。
ところが、握ろうとすると、にゅるーり、と逃げられる。何度やってもうまくいかない。子宮は汗だくの私をあざ笑うかのように、のらりくらりと逃げるのです。
さあ、果たして私は奥義「子宮返し」を体得できるのかーー!?(続く)
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