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#122 秋田竿燈まつりが始まります!

どうモー、うしコラムです。

 

8月の秋田と言えば秋田竿燈まつり。今年(2025年)は8月3日~6日に開催されます。(祭りに関する公式サイトはコチラ

AIに「牛が秋田竿燈まつりを盛り上げている様子を絵に描いて」と無茶振りしたらこうなりました。

決してこういう、牛が山車を引くようなお祭りではありませんが、しかし竿燈はこの絵のようなもの。

こんな巨大な竿燈を手のひらや額に乗せる迫力満点のバランス芸が見もののお祭りですね。大きいものだと、ひとつ50kgにも及ぶそうです。

提灯に火を灯す「夜本番」は夕方(18時50分)からですが、日中はこのバランス芸の競技会が行われるので、昼夜楽しめる1日になりますね。

公式サイトには実際の様子の動画が紹介されています。

そしてお祭りの楽しみといったら、やっぱり食べ物!

今年も「竿燈屋台村」や「ご当地グルメフェス」が行われます。

秋田牛が食べられるコーナーもあるので、ぜひ訪れてご賞味ください!

 

 






#121 見えないフェンス!?

どうモー、うしコラムです。

いよいよ夏本番ですね!

 

牛は暑さに弱いので、夏でも涼しい高原のある地域では、そこで放牧されることがあります。

日影が少ない山肌ではかえって暑さにやられてしまうことがあるので、夏の放牧は標高の高い地域の特権ですね。

 

さて、たくさんの牛を外で自由にさせていると、中には迷子になってしまう牛もいるのではないかと心配になります。そうでなくても、段差や窪地があれば滑落することもあって危険です。

 

大抵は柵で放牧地をぐるっと囲い、牛が一定の範囲から出られないようにするわけですが、その管理はとても大変。

牛は何しろ大きくて強い動物なので、柵を壊すぐらいのことはするかもしれませんし、野生のイノシシなどが突っ込んで壊すなんてこともあり得ますね。

かといって、広い土地でどこの柵が壊れているか人の目で見つけ出すのもなかなか難しいとしたものです。

 

なんとか柵を設置せずに牛の動きをコントロールできないか?

ということで海外で考え出されたのが、「バーチャルフェンシング」!。

これは牛にGPSを取り付け、牛が設定された地域を超えようとするとそれを感知。GPSには音や電気刺激を流す装置が付いていて、それが牛の動きを制限するという仕組み。すごい時代になったもんだ。

実装実験の様子などはYoutubeで見ることができます(一例がコチラ☟)。

はたして深い山の中で十分にネットが使えるのか!?といった問題や、確実性への不安もあってか、日本ではまだ普及していません。

しかし、こうした技術の進歩を通じて、人間にも牛にも環境にも負担が少ないやり方の着地点が見えたらいいなぁと思います。

 

ところで、秋田の男鹿、田沢湖あたりは避暑地としても有名です。ぜひお越しになって、涼みながら秋田牛をお楽しみください。(^^)/

 

 

 






#120 牛獣医の修行日記 ~牛の出産①

どうモー、うしコラムです。

今年も猛暑になりそうですね。

日頃、牛にはミネラルとアルカリ成分補充のための岩塩をなめさせているのですが、私のいる牧場ではいよいよ人間にも塩分補充のタブレットが配布されるようになりました。皆様も熱中症にはお気を付けください。

 

さて、今回は牛獣医として牛の分娩に立ち会う時のお話を。

 

牛の繁殖事情

牛は馬や猫と違って特定の発情シーズンをもたない「周年繁殖動物」です。

なので、季節を問わず毎月繁殖活動は可能で、そのため牛が12頭いれば毎月1頭ずつ分娩させるといった分配も可能です。

野菜と違って肉は「秋に実る(=秋しか採れない)」みたいなことはないですよね。牛だけでなく、豚も鶏も周年繁殖動物の性質を利用して、年中(基本的には)均等に生産されているわけです。

 

というわけで、牛獣医は1年中、頭の片隅に分娩への心配を抱えています。

 

分娩は大変!

分娩に危険はつきもので、胎子が母牛の産道を通れない、なんてこともよくあるんですよ。

牛は脚が長い動物なので、例えば両脚が真っ直ぐ産道に通らないと脚がつかえて通れなくなってしまい、頭だけが出て止まってしまっているとか。

そんなときは人間の手で、一旦頭を押し込めて、両脚を正しい位置に戻してから引っ張り出します。

 

しかし引っ張り出せれば簡単なほうで、なかには胎子が大きすぎてどうしても産道を通らないということもあります。

そんな時は帝王切開。母牛のお腹を切って子牛を取り出すのです!

 

介助にしろ手術にしろ、何が大変って、牛がとにかくでかいこと。

難産になる場合、子牛は体重50kgにもなることがあるのですが、それを人間の手で支え引っ張り出すのは想像以上にハードワーク。

1例やりおわると、もう店じまいして帰りたいと思うほどクタクタです(笑)。

 

分娩後のべろべろ事件

しかし状況はそんなのお構いなし。「他の牛の診察もお願いしまーす」

へ~い…とよれよれの足取りで牛群に入った時にその事件は起こった。

静かに牛が集まってきて、気が付けば牛に取り囲まれている…

 

分娩仕事のときは大抵羊水をかぶったり胎子を抱き上げたりして子牛の匂いが体に染みついています。

それが牛たちを刺激したのか…

「あらー、でかい子ねぇ」

「お母さん、どこ?」

「代わりに舐めてあげるわー」

とでも言っているのか、牛たちに、びっしゃびしゃになるほど体を舐め回されたのでした。

 

(牛たちへの)モテ期を味わいたかったら、難産へのお立合いをお勧めいたします。