どうモー、うしコラムです。
さて年の瀬がせまり、寒さが厳しさを増してきましたね。
こんなときは温かい南国…とは逆方向に突き抜けて、いっそ北欧の氷の世界を楽しんでみるというのはいかがでしょう?
今回は、牛に関する北欧神話のお話です。
北欧神話の世界:世界の始まりに、牛
北欧、ノルウェーやデンマークといったヨーロッパ北部の国々では、キリスト教が広まる前のゲルマン民族の信仰に基づく独自の神話が伝承されています。
実はこの神話では、牛はかなり序盤、というかスタートから出てくることになるのです。
原始、まだ人類はおろか神々さえもいない時代。
世界は「ギンヌンガガップ」という混沌とした空間から始まり、そこに氷山の雫から誕生した生物が巨人ユミルと牝牛アウズンブラ。(はい、いきなり登場!)
アウズンブラは、その乳で(つまり牛乳で)ユミルを養いながら、自らも生きるためにしょっぱい氷を舐め続けました。
そして、その氷を舐めるうちに、氷の中から最初の神であるブーリが姿を現した、とされています。
その後、最初の神ブーリはブル(男性の神。牛を彷彿とさせる名前ですが、綴りが全く違います)を産み、ユミルはどんどん子孫を増やし「巨人族」を形成。ブルはその巨人族の女性ベルトラと結婚し、3人の子どもが生まれます。
この3人の神が有名なオーディンと、ヴィリ、ヴェーであり、彼らが現在につながる世界を作った…というのが、世界の始まりの大まかなあらすじ。
塩!
私がちょっとびっくりしたのが、原文に、本当に「アウズンブラは塩辛い氷の塊をなめた」というくだりがあることです。
北欧なので海水が凍った氷山なり流氷なりが漂着するのが日常的だったのかもしれませんが、それをなめさせる動物を「牛」とした、このチョイス。
実際、牛は塩を好む動物です。牧場の牛が岩塩のブロックを舐めている様子を見たことがある方もいるかもしれません。
牛にとって塩分は健康維持に欠かせないもので、岩塩を与えることで以下のような効果があります。
- 脱水を防ぐ
- 体液のイオン・ミネラルバランスを整える
- 食欲増進・消化を助ける
夏場なんかは特に岩塩の消費が早いですね。岩塩が不足すると、色々な病気が発生しやすくなります。
古代ゲルマン民族は、もしかして牛の生態を見てこのような神話の着想を得たのだろうか…?
と思うと、とても興味深いです。
ステーキを食べるときのおススメ塩3選
さて、塩つながりで、お肉をおいしくいただくお話。
言わずもがなですが、牛肉は塩との相性も抜群です。塩の選び方ひとつで、さらにおいしさが引き立ちます。
ステーキを食べるときにおすすめの塩を3つご紹介!
岩塩:粗めに砕いた岩塩は、ステーキのジューシーさを際立たせます。噛んだときに塩の粒がほのかに溶け出す感覚が楽しいです。
フレークソルト:サクサクした食感が特徴のフレークソルトは、塩味がまろやかで肉の甘みを引き立てます。テーブルで仕上げにふりかけても◎。
燻製塩:スモーキーな香りが加わる燻製塩は、焼いた牛肉に深みをプラスします。おもてなしの食卓にちょっとしたサプライズを加えたいときにおすすめです。
余談
全くの蛇足ですが、今回でコラムは102回目。
102と言えば元素記号102はノーベリウム、ダイナマイトとノーベル賞で有名なノーベルにちなんだ物質。ノーベルと言えばスゥエーデン…
と、偶然にも北欧つながりを見つけたので、書いてみた次第です。おしまい。