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#136 「割れた蹄と反芻」の意味を探る

どうモー、うしコラムです。

 

前回、クリスマススペシャルということで、キリスト生誕と牛の関係について書いたのですが、その中で、キリスト教には「蹄が割れていて反芻する生き物は清い生き物であり、食べてもOK」という教義があるということに触れました。厳密には、食の禁忌はユダヤ教の食規定が源流で、キリスト教ではその縛りは基本的に緩められています。

蹄が割れているというのは偶蹄類を指し、その上反芻するとなると、もう鹿か羊・ヤギの類か、はたまた牛ということになるんですね。反芻する偶蹄類のみが食用可の生き物であったということは、豚はその中に含まれていないことになります。豚は偶蹄類ではありますが、反芻はしませんので。

「豚肉を食べてはいけない」と説く宗教で思い浮かべるのはイスラム教ですが、実はユダヤ教でも豚肉が食べてよい食品に入っていないのは興味深いですね。そのような教義が形成された背景には、次のような合理的な理由があるようです。

ひとつは、感染症の観点。豚肉はよく、生で食べてはいけない、よく焼いて食べましょうと言われますね。これは豚が人間にも感染する寄生虫や細菌などを持っていることがあるからです。衛生環境の良くない昔の世界では、加熱もそこそこにして豚肉を食べた結果、体調を崩す人が続出したのかもしれませんね。

もうひとつは、豚と人間は食べ物が競合しているということ。豚は麦やトウモロコシが餌だし、飼育に水も大量に必要です。イスラム教やユダヤ教がうまれた地域は乾燥地帯で、それらは人間と競合する資源だった。だから豚の飼育は敬遠された、と考えられます。

一方で牛は、まあ水はよく飲むものの、雑草や野菜の非可食部分など、人間が栄養にできないものを食べて成長し、お肉やミルクに変換してくれるので、とても都合が良かったのです。

 

さて、時代が進んで現在、人間が大量に食べ残すフードロスという問題が出てきました。消費期限の過ぎた食品は、そのままでは再び人間が食べることはできません。

そこで役に立つのは、今度は人間と食性が似ている豚なんですね。食品残渣は加工されて豚などの飼料に使われることがあります。いろんな生き物の力を借りて、世の中が最適に回っていく仕組みが成熟していくといいですね。

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