どうモー、うしコラムです。
このコラムを書いている私のことになりますが、実は現在、牛の獣医師として修業の日々を送っています。
今日はそんな修行のひとコマを少し。
牛乳を作るには子牛を出産しなければならない。牛肉を作るには子牛を産んで育てなければならない。というわけで、肉牛も乳牛も子牛を産む「繁殖」がとても重要です。
繁殖の管理は獣医師の主要な仕事のひとつですが、これが難しいんです!
牛の繁殖は、今やほとんど人工授精で行われています。人工授精は国家資格を持った人工授精師さんが行いますが、獣医師がやってもよいのです。
人工授精を行う前は、母牛が交配に適した状態であるかどうか、きちんと卵巣の状態を調べた上で行っています。
ちょっと待った。牛の卵巣の状態はどうやって調べるのか?
実はお尻(肛門)から腸内に手を突っ込んで、腸管ごしに卵巣を触って調べます。(ハイそこ、ドン引きしないよーに!)
解剖学は学ぶものの、目で見えないものを探り当てるのは結局は感覚の力。慣れていないと難しいのです。何頭かの牛に手を突っ込んで「どこだ、どこだよー!」と探ること2日間(牛、ゴメン)、ようやく見つけ方が分かってきました。
ベテラン獣医ともなれば、卵巣を秒で見つけ出してしまい、更に診断までやってしまう。一体この人の手はどうなってんの!?と思わずにはいられない。
しかし卵巣を探り当てることなんて、まだほんのスタートライン。牛の受胎成功までの苦難はまだまだ続きます!
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