どうモー、うしコラムです。
本格的に冬がやってきましたね。
特に朝晩の冷え込みは牧場作業者の大敵。肌がガッサガサになって痛いのなんの。ハンドクリームが手放せません。
ということで今日はお肌がらみの話です。牛のね。
海外で流行っている今話題の牛の皮膚病
牛の肌の病気で最近話題なのが「ランピースキン病」。
牛の皮膚にたくさんブツブツができる感染症です。どんな病気かって、写真はコチラから農水省のページへGo!
日本にはない病気のためあまり聞かないかもしれませんが、先日の韓国での大発生を受け、日本も警戒モードになっています。
この病気はもともとアフリカでのみ発生していたのですが、2012年ごろ中東に拡散。2019年には中国で発生し、今年(2023年)11月にとうとう韓国でも発生が確認されました。※
※出典:農水省 令和5年10月25日
発生したら対策は…
しかしこの病気、たかが皮膚のデキモノと侮るなかれ。
致死率こそ高くないですが伝染性が強く、肉牛は痩せていき、乳牛では乳量が落ちる。生産物よりコストのほうが高くなって畜産業は成り立たなくなっていきます。
ワクチンも治療薬もない現状では、感染拡大を防ぐ方法は、感染牛の殺処分しかありません。
その際、同居している動物は、まだ発症していなくても感染の可能性ありとして、もろともに殺処分対象となることもあります。
私も2010年、九州で牛・豚に口蹄疫という病気が発生した時に獣医師としてこうした作業に従事したことがありますが…本当に悲しい出来事でした。
消毒マットは必ず踏もう!
動物を病気にさせないよう、農業従事者は病原体を農場に持ち込まない努力が必要です。
でも、農業従事者でなくても、私たち一人ひとりにもできることはあるんですよ。
それは靴底の消毒!!
特に国際線のある空港では、靴底を消毒するために、消毒マットが必ず設置されています。
これは、海外の家畜の伝染病を日本に持ち込まないようにするためです。
動物園やふれあい牧場、観光地ではお店の前やホテルなどでも設置されていますね。
「なんかマットが敷いてあるな…濡れてるから避けて通ろう」は絶対ダメですよ!
海外に行かれる方はもちろん、国内の移動であっても、消毒マットがあったら必ず踏んでくださいね!