どうモー、うしコラムです。
少し遡りますが、3月3日は桃の節句、女の子の健やかな成長と幸せを願う日でしたね。
雛人形を飾ったご家庭も多いと思います。
近年は、気軽に飾ることのできるコンパクトなタイプも多いですが、お店などで見ることができる7段の雛人形は、やはり圧倒されますね。
同じ顔に見える…のですが、よく見ると1人1人表情が違っており、特徴を知っていれば皆ちゃんと識別できます。
雛人形は識別できるけれども…そんな私を惑わす識別困難な顔があります。
そう!和牛!
乳牛のホルスタイン種は、白黒模様がそれぞれ個性的で判別しやすいのですが、お肉になる和牛の判別は至難の業。
しかし不思議なことに、農家さんの中には、何十頭も飼育している牛さんの顔を覚えている方も結構いて、牛への愛情を感じる瞬間でもあります。
人は指紋、ならば牛は…
私たちが普段どうやって牛を判別しているかというと…100%、耳標に記載されている個体識別番号です(#72参照)。
日本で産まれた牛はもちろん、海外からやってきた牛も、日本で飼育されるには必ず個体識別番号が付与されます。
なので、この耳標はとても大事なものなのですが、もう1つ、和牛に限ってのことですが、あるものを使って個体の認証識別をするのです。
それは…鼻紋(びもん)!
鼻の模様で、人間の指紋のように牛1頭1頭違い、更に成長しても変化しません。
和牛は子牛の時に取った鼻紋が子牛登記証明書にしっかりと載っています。
普段の識別は個体識別番号ですが、耳標が外れた時や二重チェックが必要な場面では、この鼻紋が役に立つんですよ。
ちなみに鼻紋の取り方は、You Tubeで「牛 鼻紋」と調べれば出てきます。
短時間で手際よくできているように見えますが、それはプロだから。結構大変な仕事なんですよ。
なぜ和牛だけ鼻紋を?
和牛はお肉になる牛のため、サシの入り方や成長の仕方(どれだけお肉がとれるか)など、遺伝的な要素が重要視されます。
つまり、牛1頭1頭で価値が大きく異なり、絶対に個体識別のミスが起こってはいけないんです。
だから個体識別番号に加え、鼻紋も登録しているのですね。
人の指紋と一緒で使われることは少ない鼻紋ですが、いつか牛さんを間近で見る機会がある時は、じーっくりと鼻を見つめてみてください!