どうモー、うしコラムです。
農家さんへ向かうあぜ道が、色とりどりの花で鮮やかになってきました。
春ですね!
植物だけでなく、動物界も賑わってくるこの季節。
食べ物が豊富にあって気候が穏やかで子育てしやすい春に子どもを産む動物は多いです。
では、どうやって動物たちは季節を認識しているのでしょうか?
日長の変化を認識
春になると昼間の時間(日長)が長くなりますね。
夜の間だけ作られるホルモンがあるのですが、哺乳類はどうやら「その作用時間が短くなった」というのを感じ取って、春の訪れを認知するらしいのです。
参照:中山亨「生物はいかにして季節を読み取っているか」(2005)
ところで動物の繁殖は、ウマ・ヒツジ・ヤギなど季節限定で繁殖活動を行う季節繁殖と、ウシやブタのようにいつでも繁殖活動が可能な周年繁殖に分けられます。
ウマなどの妊娠期間が1年の動物や、交尾後2か月くらいで生まれてくるような動物は、日長が長くなってきた頃(春頃)に繁殖活動を行います。
一方で、ヒツジやヤギなどの妊娠期間が半年くらいの動物は、日長が短くなる頃(秋頃)に繁殖行動を行います。
そしてどちらも、子育てのしやすい春に子どもが生まれるのです。
動物は子育て計画がしっかりしていらっしゃる。
牛は周年繁殖、だけれども
牛は1年中繁殖活動が可能な周年繁殖動物です。
なので、春しか発情も受胎もしない、ということはありません。
しかし現場で人工授精をやっていると、春には受胎しやすく、約285日の妊娠期間を経て晩冬から春にかけて分娩が多くなる傾向があり、「やっぱり春に子育てしたいのかなぁ」と思います。
日本では、なんとか調整して毎月平均的に子どもを生ませるのが一般的ですが、広大な土地があって放牧できるような国では、餌がたくさんある(草が生えてくる)春頃に出産を迎えるよう調整する、なんてこともあるようです。
そんなわけで、人間も、おいしいお肉を食べて春をアクティブに過ごす!なんてのはいかがでしょうかっ!?