どうモー、うしコラムです。
猛烈な暑さで牛がまいっている今日この頃。温暖化について以前ふれましたが(#57を見てね)、台風が東北をヒットする予報を見て、やっぱり異常なんだなあと思います。
温暖化の原因の一つはメタンガスだ→牛はゲップでメタンガスを排出するぞ→なにィ、それなら…ということで、ニュージーランドでは2022年、温暖化対策の一環として家畜を飼育する農家さんに対し課税する方針を発表。
…したのですが、2024年6月、同国政府はこの計画を中止したそうで。
代わりに多額の資金を投じ、農家や業界団体と連携してメタン排出を削減する取組を模索していくそうです。
今回は、牛を育てるにあたり発生するメタンを減らす試みについてお話しします。
食べるものを見直す
メタン対策の切り口としては餌の量や種類が挙げられます。
ひとつは、たくさん食べればたくさんメタンが発生するので、適量を食べさせるというものですね。これにはIT技術がカギになりそうです。
もうひとつは、メタンが発生しにくい素材を餌にするというものです。メタンの発生を減らす素材として「カシューナッツ殻液」、「カギケノリ(海藻)」、「3-ニトロオキシプロパノール(3-NOP)」(ああ難しい!)などが世界で注目・研究されています。
牛の胃袋は4つあって、そのうちの第1胃が草を微生物の力で発酵させて栄養にする場所なのですが、ここでメタンが発生します。これらの素材は、メタンを発生させる細菌の働きを抑制させるそうです。
「カシューナッツ殻液」は、実は10年以上も前に日本で商品化されていました。当時はまだ牛のメタンについてあまり注目されていなかったようですが、世界的にもメタン排出削減が課題となっている今、この製品はあらためて注目されています。
参考:畜産研究部門:牛のメタン | 農研機構 (naro.go.jp)
牛用のマスク!?
マスクでメタンの排出を物理的にブロックすればよいのでは!?
そう考えた企業がイギリスにあって、排出されたメタンを吸収・分解するマスクが開発されたそうです(写真はコチラをご参照!)。
マスクといっても、鼻先の上に取り付けるため、餌を食べたりするのに問題はないようです。
凄い製品をまじめに検討する時代が来たものだ…としみじみ思いますね。