どうモー、うしコラムです。
梅雨入りした地域もあり、湿度が高くじめじめした日が続いていますね。
牛も、人間と同じで湿度が高いと不快感を抱くようで、「熱はないけど食欲がいまいち…」と相談されることがあります。(いや、牛からではなく飼い主さんからね)
気温はそんなに高くないから大丈夫でしょ!と思ったら、さにあらず。
この季節、空気がこもりがちな牛舎内では、牛は想像以上にストレスを感じているんです。
今回は、湿度に注目してみましょう!
温度、だけじゃない、湿度!
梅雨から夏の間、不快指数という言葉をよく聞きます。
不快指数は
0.81×気温+(相対湿度/100)×(0.99×気温-14.3)+46.3
なんて計算式ではじき出すのですが、つまり気温だけではなくて、湿度も不快指数に影響していることを示しています。
不快指数が高くなるにつれて牛は強いストレスを感じますが、厄介なのは人と感じ方が違うということ。
例えば、気温が24℃、湿度が65%なら不快指数は72。
人間には比較的過ごしやすいレベルなのですが、牛にとっては結構なストレス環境と考えられています。
熱を発する発酵槽を体内に抱える牛は暑さに弱いんでしたね。(コラム#27を見てね!)
人間と牛とでは暑さに対する感じ方から違うのですから、それに湿度が絡むとなればもうワケが分からない。
そんな時には機械に頼るのもひとつの方法。牛用のストレスメーターという便利道具があるので、それを参考にしたりします。(下のリンクをご参照ください)
湿度が高いとやってくる奴
湿気が高いと、牛以外に対しても困った影響があります。
私たち人間も、風呂場など湿気の高いところで悩まされるアレ…そう、
カビです。
牛の餌を冷蔵庫で保管できるわけもなく、梅雨は特に飼料にカビが生えてしまうことがあるのです。
牛は発酵槽である1胃の中である程度カビを分解できます。発酵槽のお陰で暑さには弱いけどカビには強い。しかしそれでも繁殖力が落ちたり、肝臓がダメージを受けたりと、様々な悪影響があります。
だから、この時期は特に、「餌は大丈夫かいな」という目で牧場内を観察しなければなりません。
そんな感じでややこしいこの季節、みなさまも食中毒にはどうぞお気を付けください!
イラスト:も