どうモー、うしコラムです。
前回、修行日記で牛の発情周期の話をしました。21日間周期の中の1日だけが人工授精のチャンスであると。
そこで疑問が。「そんな微妙なタイミング、どうやってつかむの!?」と思ったアナタ、鋭いです!
実は多くの動物で交配適期は、メスの腰骨の上にオスが乗っかって、メスがおとなしくしていればアタリ、暴れればハズレ、というふうに見極めできます。養豚の場合だと、例えば従業員が雌豚の腰骨に座り、
・おとなしくしているようなら交配適期
・振り落とされれば、まだダメ
という要領で交配可能の豚を見つけることもあるんですね。
牛の場合、発情が来るとメス牛同士で乗ったり乗られたり、といった行動をするので、それを見つけたら「キターーー!(; ・`д・´)」と人工授精師を呼び…
いや待て待て。
牧場が広かったら、それをいちいち見つけるのって大変じゃない?と気付いたアナタ、ほんとにその通りです。
以前はそこで苦労があったようですが、しかし今は心強い味方がいる。
なんと!首につけたセンサーが発情時期を見極めるんです!
発情が来ると歩数が上がったり、首を振る回数が増えたりするので、そのような兆候をウェアラブルデバイスのセンサーが感知するという、まさかのICT化。
豚の繁殖のイメージしかなかった私は、「牛にセンサーがつく時代か…」と驚いたものですが、今はそれどころではありません。
牧場のDX化を推進する企業・株式会社ファームノートの方に伺ってみると
「単純に何歩以上歩いているから発情というのではなくて、AI(人工知能)がいつもと違う動きを感知して知らせてくれる仕組みです」
…す…すげぇ…グラフの黄色い部分が発情をつかんだところですね…
まるで牛との対話を可能にしてくれるようなテクノロジー。
近年いろんな企業がこの分野に参画していて、今後どんな進化をするのかとても楽しみですね!
余談ですが、先日の全国和牛能力共進会でもファームノート社は大きなブースを出して注目を浴びていました。
ITの力で畜産業も盛り上がりますように!
写真提供:株式会社ファームノート