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#135 クリスマスと「牛」!?

どうモー、うしコラムです。

いよいよ寒くなってきましたね。朝、牧場で診察をしていると、風邪でもないのに鼻水がぽたぽたとこぼれ落ちてきます。この時期、直腸検査(牛のお尻に手を突っ込んで牛の体調を調べる検査です)をしていると、牛の体内が本当に暖かくて、コタツにでも入っているかのような気持ちになります。でも牛にとっては迷惑でしょうから、名残惜しみながらもさっさと手を引いてしまうのですが。

さて、この時期と言えばクリスマス。クリスマスと言えばイエス=キリストの誕生日ですね。

キリストの誕生の場面は、昔から様々な画家によって描かれてきました。その絵の中に出てくるのは主役のキリストのほか、聖母マリア、その夫・聖ヨセフ、東方の三賢人、天使などで、描かれ方や構図は様々です。実はその中にしれーっと混じってかなりの高頻度で出現しているキャラクターがいるのですが、何かお分かりですか?

 

そう、

牛なんです。上の絵でも、どっちにも描かれていますね。

今回はこの宗教画に描かれる牛に関するエピソードを少し。

 


 

「キリストは家畜小屋で生まれた」と言われているので、その様子をあらわす動物として牛が描かれていても不思議ではありませんね。

よく言われている「キリストは馬小屋で生まれた」というのは実は聖書の和訳の過程で生じた誤解なのだそうで。もしかしたら、日本ではより馴染み深く、馬小屋で生まれたとされる聖徳太子のエピソードに引きずられたのかもしれません。

キリスト教の中で重要なこの場面に牛が標準装備のように描かれるようになったのは、こんな理由があるそうです。

①牛は清い動物だから

実は聖書の世界では、

「蹄が分かれている」

「反芻をする」

この2つを満たす生き物は清い、とされているのです。だから聖人の誕生を祝福する生き物としてうってつけというわけですね。

ちなみにこの際の「清い動物」というのは、「人間が食べてもいい動物」という意味にも解釈されるそうです。

 

②牛は「謙遜と奉仕」の象徴だから

「牛がいるような粗末な環境で生まれたんですよ」というのが聖人の謙虚さを表していると解釈されていますね。

また、牛は食べ物になるだけでなく、昔は労役に使われていたので、なんとなく奉仕・献身のイメージがあります。

 

私個人としては、聖母マリアの真冬の、家畜小屋での出産はそれは大変だったでしょうから、せめて温かい牛がいて良かったですね…と思わずにはいられません。牛って、ぎゅーっとくっついてみたら、ほんとにあったかいですから。

 

 






#134 簡単レシピ紹介!かまくら風クリスマス・キャロットソース

どうモー、うしコラムです。

今回はお待ちかね、簡単レシピコーナー♪

そろそろクリスマスですね、素敵な夜に、ちょっと温かみのある色合いを添えるステーキソースはいかがでしょう?

え?ケーキを手作りするけど、生クリームがちょっと余る?そんな方には尚うってつけ。

クリスマス・キャロルならぬ「かまくら風クリスマス・キャロットソース」、ぜひお楽しみください!

 

材料と方法

■材料

・ニンジン 200g

・バター 70g (無塩・含塩はお好みで)

・水 125~150cc

・コンソメ 5g

・生クリーム 75g

・塩 1.5g

・オリーブオイル 5cc

※ミキサーもしくはフードプロセッサーが最後の工程で必要です。

 

■作り方

①ニンジンをオリーブオイルで軽くソテーする。

②水を入れて煮る。櫛が通るぐらいに火が通ればOK。

③塩・バター・コンソメ・生クリームを入れてひと煮立ち。

④ミキサーもしくはフードプロセッサーで攪拌して出来上がり。

 

ちなみにこのレシピの提供者はフレンチのシェフ経験がある方で、実際にその現場でも使われた秘蔵のレシピを教えていただきました。

シェフからは「ミキサーがあれば大丈夫ですよー」と軽ーく言われましたので、例によって私も

実際に作ってみました。

これは煮込みの時間がかかるので、手順としてはソース作り→ステーキ調理の順ですね。レシピによってはステーキを焼いたときに出る肉汁を使うことがあるので手順が逆になることがありますが、今回はこの順で。

さて、ニンジンをオリーブオイルでソテー。油断しているとあっという間に焦げてしまうので、お気を付けください。

水を加えてコトコト、しばらく煮込みます。

ニンジンに火が通ったらその他の材料を入れて軽く煮ます。

バターの迫力にちょっとびっくりしますが、気にせずやっちゃいます。

バターの形もなくなり、コンソメも溶けて全体がちょっとグツグツいってきたら終了。後はミキサーで攪拌しますが、ニンジンが柔らかくなっているので、これもあっという間に終わります。

さて、いつもの通り、以前ご紹介した焼き方の動画を参考に赤みが残る程度に焼きまして、ソースをかけたらできあがり!構図がいつも同じなのはご愛敬(笑)。オレンジ色が温か味あってステキ。上に乗っているのは秋田名物とんぶりです。

これ、いただいてみますと…かなり空気を含んだふわっふわのソースで、スープとしてもいけるような感じ。秋田牛のやわらかさと相まって、その溶けるような食感をアシストします。

このままでもOKですが、肉本体を焼いた後の肉汁を加えると更に深みが増しました。塩の量はお好みで調整されると良いと思います。

子どもに食べさせてみると、「言葉にならない」というような表情であっという間に平らげ、ソースも形跡がなくなるほど完食しましたので、かなり美味しかったようですよ。

カンタンなので、是非お試しください!






#133 牛も食べたい、ニンジンの話

どうモー、うしコラムです。

先日ふと見た天気図が完全に西高東低になっていて、冬が来たことを実感しました。

牛は喜び庭駆け回り、従業員はこたつから叩きだされる季節の到来です。

 

さて、この時期実は旬である野菜のひとつ、「ニンジン」が今回のテーマ。

昔は子どもが嫌う野菜に毎度ノミネートされていたものですが、今や品種改良が進み、あまり嫌われなくなったニンジン。甘くてそのまま食べてもおいしい。なんならジュースにして飲む、というほどの存在になっていますね。

野菜の中でも比較的糖度の高いニンジンは牛も大好物。ウマや、観光地のヤギに食べさせているイメージがあるかもしれませんが、牛もニンジン好きな動物のひとつなのです。牛にも味覚はあると考えられていて、甘いものとしょっぱいものを好む傾向があるんですよ。

ニンジンの栄養と言えばご存じβカロチン。視力・皮膚・毛髪・粘膜・免疫力の維持に役立ち、人間だけでなく牛にも重要な栄養素。ですが、本来イネ科の牧草に豊富に含まれるはずのβカロチンは、壊れやすく、保存している間に損なわれていってしまいます。一般的に濃厚飼料として使われるトウモロコシなどには、βカロチンはあまり含まれておらず、「何かで補った方がいいのでは?」という見解も出てくるんですね。

なら、牛にもニンジンを食べさせればいいんじゃ!?となるわけですが。現場で見ていても、安定的にニンジンが供給されているという印象はありません。

実際、牛に食べさせる飼料専用ニンジンというのは探してみても見つかりませんね。米やカボチャは「人間が食べるには甘味が足らなすぎる」という品種があって飼料用として栽培されるのですが、ニンジンに関してはそういうものがあるのかどうか、ちょっとよく分かりません。

しかしニンジンは収穫したもののうち多ければ半分ぐらいが形が悪くて商品にならないいわゆる規格外(廃棄対象)になるらしく、捨てるぐらいなら(そしてそれ目当てで熊が人里に降りてくるぐらいなら)牛に食べてもらったほうがいいじゃないですか。

というわけで近年、規格外のニンジンを飼料化したり、それ以外だと野菜ジュースの搾りかすを活用したりする、といった試みが日本各地で行われつつあります。

フードロスって、本当にもったいないですよね。餌の値段は年々高くなっていますし、今や食糧資源は本当に有限で、捨てている場合ではありません。廃棄される野菜も誰かの役に立つ、そんな仕組みがどんどん浸透していってほしいと思います。

 

さて次回、今が旬のニンジンを使ったレシピをご紹介します!

 

 

 

 






#132 熊、出没注意!

どうモー、うしコラムです。

今回は最近世の中を騒がせている熊のお話です。

 

最近秋田県では熊が出没し人間に被害を及ぼすニュースをよく耳にします。去年が少なかったので、今年は特に多く感じます。

熊の食糧となるブナの木の実が不足した年は熊が人里に降りてくる傾向があるようで、2023年はそれが原因で被害が大きかったと言われています¹⁾。逆に去年(2024年)は木の実が豊作だったようですね。それで去年の熊は人里に降りる必要が無かったのかもしれませんが、実はそんな年には栄養状態がよくなり子熊が生まれやすくなり、更に餌が必要になるので、翌春はやっぱり人里への出没数が増えるのだとか²⁾。

そして今年のブナは大凶作³⁾。腹をすかせた熊が餌を求めて人里に降りてくるわけです。

 

牧場絡みという点では、秋田県に生息しているのは中型の熊・ツキノワグマなので、北海道で次々と牛を襲ったOSO18(ヒグマ)のような被害は出ないと思いますが、それでも2020年には秋田県で子牛が食べられる被害が出ていますからね⁴⁾、油断できない状況です。飼料をくるんでいるラップがはがされるといった被害も出ているようですし、他県でも牧場に熊が現れて餌を食べていったという報道があった⁶⁾ので、どちらかというと餌に被害が出るケースが多くなるのかもしれません。牛は草だけを食べるわけではなくて、トウモロコシなどデンプンの多い濃厚飼料(秋田牛の場合は米!)も食べるので、それ目当てで熊が来そうです。

 

私の身の回りでも、牧場近辺で最近、やたらとイノシシ、ウサギ、鹿の類を見ます。農道の運転中にお構いなしに道を横切ってくるので、危ないったらありません。いつもは隠れて人前になんか出てこないんですけどね。何故か今年は出くわすことが多いように思います。

今年は野生動物にとって、食糧難など、何か困ったことが起きているのかもしれませんね。

 

出典

1)美の国秋田ネット「クマについてよくあるご意見・ご質問」

2)陸奥新報2024.7.5

3)林野庁「令和7年度のブナの結実状況について」

4)毎日新聞2020.8.18

5)秋田魁新報2025.10.16

6)FNNプライムオン2023.11.12

7)Yahooニュース2025.9.7

 

 

 

 






#131 実際に作ってみよう、ジンジャーステーキソース&改!

どうモー、うしコラムです。

さて、ステーキを100倍美味しく食べよう委員会の時間です。(すみません、今思いついた言葉です、非公認です)

前回紹介したジンジャーステーキソースを実際に作ってみようというのが今回のテーマです。

私のような不器用にも作れるものなのでしょうか!?それではやってみましょう!

※前回のレシピのおさらいはコチラからどうぞ。

※ステーキの焼き方については、コチラのコラムをご参照ください。

 

段取りとしては、ソース→ステーキの順で調理していきます。

まず材料を用意しますが、うちにはおろし金がありませんでしたので、しょうが汁は刻んだ生姜をビニール袋に入れてモミモミほぐして作りました。すりおろしにんにくは市販のペーストで代用です。

後はその他の材料とお鍋に混ぜて混ぜてひと煮立ちですので、あっという間に出来上がりました。

さて、上の「焼き方については…」のところで紹介している調理方法は本当に優秀で、お陰様で私が焼いても本当にしくじり知らずです。

こんがり焼いているように見えますが、表面だけ焼き色がついた状態。あとは動画通りホイルとタオルでくるんで余熱を通していきます。家庭で柔らかく焼くにはこの方法がとても良いと実感しています。

あとは適当な大きさに切り、ソースをかけ、秋田名物「畑のキャビア」・とんぶりを添えて、今回のステーキは出来上がり!うーん、超簡単!

実際食べてみると、すごくさっぱりしていました!生姜がきいていると、かなりスッキリ感が出てきますね。秋田牛はもとよりどっかり来ないやさしい脂身が特徴なのですが、その味わいを全く邪魔しないシンプルな美味しさです。

 

さて、このままでも十分美味しかったのですが、もうちょっとガツンとしたパンチ力のある味を求めている方に向けて、もうひと手間加えてみたいと思います。

ステーキ肉を焼いた後の、肉汁や焦げあとの残っているフライパンをそのまま使い、さっきのソースをぐつぐつと煮込みます。(量は適当です)

このレシピには砂糖が入っているので、何も加えなくてもある程度煮込むととろみがついてきます。

とろみがついた時点で終了すると、さっきのソースよりもかなり濃縮され、かつ肉汁の旨味が入ったソースが出来上がります。

かなりソースっぽい見た目になりましたね。味も主張が強めになり、濃い目の味がお好きな方にもご満足いただけるソースなんじゃないかと思います。

これも焦がさない程度に煮詰めるだけなので、とても簡単。今回のソースをレシピ通りに作ると相当たくさんできますので、ステーキ肉を焼いて余熱を通している間に、一部を煮込みに使ってみてください。

ちょっとした味変を楽しめる食卓になること間違いなしです!ぜひやってみてくださいね!

 

 






#130 簡単レシピ紹介!ジンジャーステーキソース

どうモー、うしコラムです。

前回、生姜についてお話ししたのですが、今回はそれをステーキソースに応用しちゃおうと思います!

そのレシピはこちら!

 

■材料

・みりん 100cc

 

・醤油(濃口) 100cc

・砂糖 25g

・生姜 20g分のしぼり汁

・おろしにんにく 8g

 

■作り方

みりんを最初に煮切って(=加熱によってアルコール成分を飛ばす)、残りの材料を入れます。

ひと煮立ちさせて完成。

 

以上。

え?これだけ?と思われるかもしれませんが、これだけです。ちょー簡単!!

 

ちなみに、生姜のしぼり汁は以下の手順で作ります。

①生姜の皮をできるだけ薄く剝く

②おろし金ですりおろす

③キッチンペーパーで汁を絞り出す

おろし金が無かったら、細かく刻んでビニール袋に入れ、しばらく揉みほぐすという手もありますよ。

 

前回お話ししたように、生姜には新生姜と根生姜がありましたね。

新生姜は汁が出やすくマイルド、根生姜は新生姜に比べて水分が少なく絞りにくいですが、その分濃縮され薬味感の強い汁が得られます。

このレシピではどちらでもOKです。お好みでどうぞ。

 

さて、では次回、実際に作ってみます!

 

 






#129 秋の気配と生姜の香り

どうモー、うしコラムです。

このごろだいぶ涼しくなってきましたね。季節の変わり目で、体調の崩しやすい季節、どうぞご自愛ください。

牛の健康に関していうと、乳牛の場合は夏場、特に大腸菌による乳房炎が増えるのですが、秋が深まるにしたがってちょっとずつ減っていくんですね。獣医や牧場スタッフの間では

「最近大腸菌が取れなくなってきたな」

「もうそろそろ年末ですねー」

なんて牧場関係者しか分からない因果関係の会話をしていたりします。

 

さて、10月と言えば米どころ秋田県では「秋田米にぴったり!ごはんの友選手権」が行われる時期です。

ご飯のお供になるこれぞという逸品を決めるイベントで、昨年は10月7日に行われました

秋田でご飯のお供と言えば、前回もレシピで使った「いぶりがっこ」が強力な存在なのですが、昨年その牙城を破りグランプリに輝いたのは秋田県産生姜の佃煮「華しょうが(有限会社佐藤徳太郎商店)」でした。

秋田の新米、ほかほかごはんに生姜の組み合わせ、想像するだけでヨダレが垂れそうです。

 

生姜と言えば夏のイメージがあるかもしれませんが、実はハウス栽培でなければ今こそが収穫時期。初夏~夏場はハウス栽培で収穫してすぐの「新生姜」、秋以降は収穫から数か月寝かせた「根生姜」が流通することが多いようです。根生姜にするのは、水分を飛ばして冬場も使えるようにするため。血行促進作用などがある生姜は、冬場、私を温めるとてもありがたい存在になりますね。

 

実は牛も生姜を食べると胃の動きが活性化するといったことが起こるそうで、それを混ぜ込んだ飼料も販売されているようです。

秋田牛は秋田のお米を食べて育ちますから、もしかして生姜入り飼料とあわせると人間と同じように食が進んじゃったりするのかな…などと妄想が膨らんでしまいますね。

 

 

 






#128 簡単レシピ紹介! 絶品・いぶりがっこのステーキソース

どうモー、うしコラムです。

今回は秋田名物いぶりがっこを使った、簡単で絶品のステーキソースのレシピをご紹介します。

 

材料(2人分)

  • いぶりがっこ 40g
  • にんにく 1かけら
  • 日本酒 大さじ2~3
  • しょうゆ 大さじ2
  • みりん 大さじ1.5
  • バター 15g ※無塩・加塩はお好みで

作り方

  • いぶりがっことにんにくは、みじん切りにしておきます。
  • 材料を必要な分用意したら、ステーキ肉を焼き始めます。
  • ステーキを焼いた後のフライパンに、バター以外の材料を入れて火を通します。
  • アルコールが飛んだら仕上げにバターを入れて、少しとろみがついたらできあがり。

以上です。すごく簡単ですよ!

 

論より証拠、私も作ってみました。

使ったのは秋田牛のモモ肉です。

まずは材料を用意。みじん切りにしたいぶりがっこがコチラ。果たしてこれがどう化けるのか!?

まずとりあえず、ステーキを焼きます。ステーキの焼き方は過去ご紹介したレシピを参照(コチラ!)。

※ソースに塩味が十分あるので、肉本体には塩はつけなくてもいいかもしれません。

うちは電磁調理器しかないのですが、なんかイイ感じに焼けています。じゅーーーーっ。

焼き終わったら動画通りに、アルミホイルとタオルで包んで余熱処理。

さてここからです!

焼き終わったフライパンに材料を入れて火を通します。

私は煮立ってちょっと量が減ってきた時点でバターを投入。

少しとろみがついたら火を止めて完成。出来上がりがコチラ!じゃーーーん!

おいしそうでしょう!?いや実際、驚きのおいしさでした。

いぶりがっこって結構スモーキーなんですよ。だから一瞬スモークチーズかな?と思わせるのですが、噛むとたくあんのパリパリした食感が出てきます。それが秋田牛のやわらかさに程よいアクセントとなり、じゅわっと染み出る独特のスッキリした脂とも相性抜群!もう絶品です。

まさか自宅でこんなおいしいステーキを味わえるとは。

すごく簡単でしたので、皆さんも、是非お試しください!






#127 秋田のいぶりがっこ

どうモー、うしコラムです。

気が付けばもう9月も半ばなんですね。

秋田では来月ごろから大根の収穫が始まり、あれを作る季節がやって来ます。

 

そう、「いぶりがっこ」です。

 

いぶりがっこはもともと囲炉裏の煙でいぶして作る大根のお漬物。スモーキーな味わいが独特とされる、秋田では有名な食品のひとつです。

私は「漬物を燻製にするのかな」と思っていたのですが、順番は逆で、まず収穫した大根を燻し、それを糠や米麹などの漬け床で2~3か月かけて漬け込んで作るのだそうです。

ちなみに食品表示法的には「たくあん漬け」と表示されることになっていてたくあんの1種にカテゴライズされるのですが、この最初の乾燥工程が違うんですね。一般にたくあんは大根を天日干ししてから漬け込むのですが、秋田は日照時間が短い!ので、この方法が発達したわけです。

かまくらミートがある横手市は、このいぶりがっこの生産地としても有名なんですよ。

 

いぶりがっこはもちろんそのままでもおいしいのですが、秋田ではマヨネーズや、更にそれにブラックペッパーを和えたりして、ソースの材料に使うこともあります。いぶりがっこ入りのタルタルソースは地域の特産品にもなっていますね。そのまま食べるだけでなく、魚や肉料理のお供に活かされるなんて、面白いと思いませんか?

 

じつは先日、とある料理人の方から、いぶりがっこをつかったステーキソースをご紹介いただいたので、次回はそのレシピと作ってみての感想をお伝えしようと思います。お楽しみに!

 






#126 舐められるとダメージ大!牛タンについて

どうモー、うしコラムです。

朝夕、ちょっと涼しくなってきましたね。暑さが和らいだせいか、牛もちょっと活発になったような気がします。

気が付けば今年も今月を入れてあと4か月。早いものです。

 

さて皆さんは猫に体を舐められたことはあるでしょうか?

猫の舌は結構ざらざらしていて、舐められるとちょっと痛かったりしますね。

あれは舌乳頭(ぜつにゅうとう)とよばれる組織のひとつで、糸状乳頭というのですが、ネコ科動物だと歯では取り切れない肉片をこそぎ取って食べるのに役立っています。顕微鏡で見るととても尖った組織ですし、もともと捕まえた動物の筋肉を削り取るのが役割ですから、舐められたらそれは痛いわけです。

同じところを何度も舐められてヒリヒリして、「痛いなぁ、もう、こいつめっ」みたいなやり取りを猫とした人は多いのではないでしょうか。

 

では皆さんは牛に体を舐められたことはあるでしょうか?

ご経験のある方は共感していただけると思いますが、

めちゃくちゃ、とは言い過ぎまでも、予想以上に痛いです!

牛は好奇心旺盛で、気になったものは舐めて確認することもあり、私たち獣医も牛からよく「確認対象」にされてしまうんですよ。そうなると猫とのやり取りのようなほのぼのした対応をしている場合ではありません。

顕微鏡で見ると舌の表面には犬歯のように尖った組織がたくさん生えていて、これも草を絡め採って飲み込むのに役立っていると考えられています。

焼肉屋で出される牛タンからは表面がつるっとしていてイメージがつかないかもしれませんが、それもそのはず。実は牛タンは加工過程で、糸状乳頭のついている皮膚部分はきれいにカットしてしまうからなのです。

皮膚の部分は固いし、そんな針のようなものがびっしり生えているので口触りが悪くて美味しくないので、除去するわけですね。

牛タンは1頭から1~2kgぐらいしか取れない貴重な部位で、この皮剥ぎ(「筋引き」とも言うそうですが)が上手くいかないと商品価値が落ちるので、まるで寿司職人のような繊細な技を持った技術者が丁寧にカットしてくださっているんですよ。

 

ところで何故牛タンの話題を書いたかというと、9月10日が「牛タンの日」だったからなんですね。

9(きゅう)と10(テン)で「ギュウタン」ということで、「仙台牛たん振興会」によって、2018年に制定された日だそうです。

ちなみに今月で言うと9月16日が「牛とろの日」など、牛や肉に関する記念日はちょくちょく暦にちりばめられていて、コラムニストにとっては全く油断も隙もありません。